秋のヘッドホン祭2011初披露 ”フラット4(Flat-Four)”  設計者”音”履歴(2)

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秋のヘッドホン祭2011初披露 ”フラット4(Flat-Four)”  設計者”音”履歴(2)

フラット4の音響技術の開発者 山岸 亮の履歴その2です。

SONY入社~ヘッドホン設計者時代

理系の中で電気は一番苦手だったのですが高校の時にオーディオに目覚めてしまった為、大学では電気工学を専攻しました。

SONYの入社試験の役員面接では、FETについて説明を求められたが興味なかったので答えられず、ベータとVHSについて聞かれると、どちらも利点が有るのではと回答したのを覚えています。唯一答えられたのが、スピーカーのネットワークの設計についてでした。

かくして1981年4月に無事SONYに入社しましたが、希望するスピーカーの設計部隊には入れず、ヘッドホンチームに配属になりました。

当時はウォークマンが出て2年目を迎えた所で、ヘッドホンチームも次々に新しいモデルを開発、設計している所でした。入社2年目の1982年にMDR-E252の電気、音響担当を任されました。MDR-E252を更に色々と改造している内に偶然、ソニーアコースティックターボ回路を発明してしまったのもこの年の秋でした。ソニーアコースティックターボ回路はその後、MDR-E262やMDR-W30L等全ての小型オープンエア型のヘッドホンに搭載され他社のヘッドホンに音質で圧倒的な差を付ける事に成功しました。

当然、ウォークマン付属のヘッドホンとしても採用され(MDR-E242、MDR-W30L等々)ました。ウォークマンの音質が他社よりも良かったのは95%位ヘッドホンの差です!

ソニーアコースティックターボ回路はターボダクトのイナータンスにより、振動系の等価質量に周波数が低いほど重さを加える可変振動系質量を実現した音響回路です。即ち低い最低共振周波数と、中高音域では軽い振動系による高音域の伸びをフルレンジユニットで実現する画期的な音響回路でした。また、ターボ回路は低域のfo(最低共振周波数)を下げると共に3kHz付近の音圧を上昇させます。丁度、インナーイヤー型イヤホンが外耳道入り口を塞ぐ事で減少する外耳道開管共振(3kHz前後)を補足する役目を果たしています。ターボ回路は低域の大幅改善と共に中高域の改善も同時に行う一石二鳥の音響回路でした。

オープンエア型ヘッドホンは、密閉型ヘッドホンとスピーカーの間の存在ですが、ターボ回路以前は音響抵抗でfo(最低共振周波数)付近を抑制する位の音響回路しか有りませんでした。

現在では20年の特許も満了しましたので、多くのヘッドホンメーカーがこの技術を自由に使用しています。

かくして入社2年目でインナーイヤー型ヘッドホンの第一人者となり音響関連技術と音質の決定を一人で取り仕切る事になりました。

つづく

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”オープンエア型の音の拡がり&密閉型を超える重低音”

ご興味ある方は音茶楽 Sound CustomizeショールームでFlat4の試作機を試聴できます。

音茶楽 Sound Customize  コルティ経堂西側出口1分

営業時間 火曜-木曜13:00-18:30 金曜、土曜13:00-20:30

定休日 祝祭日、日曜日、月曜日

1月6日より通常営業いたします。

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