秋のヘッドホン祭2011初披露 ”フラット4(Flat-Four)”の秘密その1
トルネード・イコライザーではバイパス入り口P点では同位相だった音波がQ点では位相が遅れる事になります。フラット4のツイン・イコライズドエレメント方式ではエレメント2からの音波が同様に位相が遅れます。
目的の6kHzで位相が180度遅れる為には
λ=V/f λ音波の波長 V音速 f周波数
音速を340m/S 周波数を6kHzとすると λ=340/6000=0.0566m=5.66cm
従って半波長は2.84cm、約28mmとなります。
バイパスの長さを約28mmに設定すると図8bの様に6kHz近辺で本来の音道を通った音と
バイパスからの音が逆位相になり打ち消しあう事となります。図9の破線がバイパス路付のヘッドホンの音圧-周波数特性です。
目的も効果も、トルネード・イコライザーも、ツイン・イコライズド・エレメント方式も同じです。
実はそして共通の効果がもう1点発生します。
トルネード・イコライザーのバイパス路或いは、ツイン・イコライズド・エレメント方式のセカンダリーエレメントからチューブを通って鼓膜まで到達する経路の長さは外耳道の長さの2倍になります。
バイパスまたはチューブの長さを約28mmと設定した場合、トータルの経路長は56mmになります。
そうです、56mmの閉管の共振周波数は3kHzです。
耳を塞ぐ事で失われた3kHzの外耳道開管共振を補完する作用があるのです。
経路長の差で、6kHzの外耳道閉管共振のピークを抑え、付加した経路と外耳道の長さによる閉管共振で失われた3kHzを補完する合理的な音響回路です。
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