秋のヘッドホン祭2011初披露 ”フラット4(Flat-Four)”  設計者”音”履歴(4)補足 2

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  • 月別アーカイブ: 1月 2012

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秋のヘッドホン祭2011初披露 ”フラット4(Flat-Four)”  設計者”音”履歴(4)補足 2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 フラット4の音響技術の開発者 山岸 亮の履歴その4 SRS(アクティブスピーカー)時代補足

2です。

マグネットの材質でも音色が変わります。

磁束密度を同じにした場合の比較ですが、フェライトマグネットではストロンチウム系の方がバリウム系よりも滑らかで聞きやすい音質でした。

また、ネオジウムマグネットは強力な為、簡単に磁束密度を上げる事が出来るのですが、音像定位が真ん中に集まり易く音の拡がりに欠けている様に感じました。

推測ですが、マグネットの導電性に関係有るのではと今でも思っています。

すなわち、フェライトマグネットは導電性無し、ネオジマグネットは導電性有りです。

ボイスコイルに流れる電流がマグネットに電流を発生させ磁界を発生しその影響が再びボイスコイルに電流を流し悪影響を与えているのかも知れません。

そこでSRS-Z1では磁束密度も十分得られ、導電性の無い当時の最新のサマリウム鉄窒素(SmFeN)ボンドマグネットを用いました。

高校時代、アルバイト料を前借して購入した、LE8Tのアルニコ仕様でしたが、今にして思えばフェライトでも良い音がしたのではと思っています。

つづく

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”オープンエア型の音の拡がり&密閉型を超える深低音”

ご興味ある方は音茶楽 Sound CustomizeショールームでFlat4の試作機を試聴できます。

音茶楽 Sound Customize  コルティ経堂西側出口1分 

営業時間 火曜-木曜13:00-18:30 金曜、土曜13:00-20:30

定休日 祝祭日、日曜日、月曜日

秋のヘッドホン祭2011初披露 ”フラット4(Flat-Four)”  設計者”音”履歴(4)補足

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フラット4の音響技術の開発者 山岸 亮の履歴その4 SRS(アクティブスピーカー)時代補足です。

この頃のスピーカーユニットの振動板の色は薄い青色にしました。

振動板は出来るだけ着色しない方が音が良いのです。通常は黒く着色するか、白く着色する場合が多いのですが、SRSでは薄い青にしました。

他のユニットとの違いを表したかったのが表向きの理由でが、本当の理由はJBLのモニタースピーカーに憧れていたからで、フロントバッフル板の青のイメージを参考にしました。

振動板の色もデザインに影響するので、デザイナーからは黒か白にしたいと再三提案されましたが、青が音が良いと言う事にして押し切りました。

確信犯でした。デザイナーの皆様済みませんでした。

つづく

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”オープンエア型の音の拡がり&密閉型を超える深低音”

ご興味ある方は音茶楽 Sound CustomizeショールームでFlat4の試作機を試聴できます。

音茶楽 Sound Customize  コルティ経堂西側出口1分

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秋のヘッドホン祭2011初披露 ”フラット4(Flat-Four)”  設計者”音”履歴(4)

 

 

 

 

 

 

 

 

フラット4の音響技術の開発者 山岸 亮の履歴その4です。

SRS(アクティブスピーカー)時代

幸いな事にHi-Fiのスピーカー部隊とは別の創設したてのアクティブスピーカー部隊への異動でした。

小さな部署ですが、スピーカーユニット担当者も居て、オリジナルユニットの開発から材料による音の違いの検討等、今では考えられない様な試作検討をさせて頂きました。

例えば、パーチクルボードよりも音の良い樹脂を検討しましたが、実に35種類の樹脂を配合して板にしBOXに組み立て音を聴きました。

上記写真のSRS-N100ではこの時の29番目の配合の樹脂を使っています。木質材(パーチクルボード)並みの音質で楕円球に成形したキャビは本当に良い響きをしていました。

このモデルの設計者と言う事で当時の大賀社長に呼ばれ音質について褒められたのを思い出します。

このSRS-N100はオーディオ評論家の江川三郎先生からご提案の有った小型スピーカーによるニアフィールド・リスニングスタイルを商品にした物です。

後に開発したSRS-Z1もこの路線を更に進めた物です。

SRS-N100がスーパーウーファー付きの2.1chに対しSRS-Z1は39mm口径フルレンジユニット1発で全帯域をカバーしました。

フルレンジスピーカーの良さと、材質による音質の違いを勉強しました。

振動板材質については紙を見直したのもこの時期です。

音質の良い順に 紙 > バイオセルロース > プラスチック樹脂 と考えています。

SRSでは国産の紙にこだわり、多くのメーカーが海外製の安い紙に代えコストダウンする中、岐阜の長良川中流域の伏流水で抄紙したコーン紙を使い続けました。

何年もかかって造り上げた音質の良い紙のレシピはそれ自体が芸術です。

コストダウンして良い物と触れてははいけない物が有りますね。

 バイオセルロースは紙や、マイカ等に混ぜて振動板にすると威力を発揮します。SRS-N100やSRS-Z1のユニットでこの手法を使いました。

金属振動板もアルミやマグネシウムなどの音も良いのですが、同一仕様で比較していないので省きました。

ヘッドホンの振動板の場合その薄さから紙は無理です。

従ってバイオセルロースも悪くない選択になります。

経験上、断面を切った時に均一な物より不均一な物の方が音が良い様です。

スピーカーBOXの材料としての木材の樹種も検討しました。

結果的には欅が一番色付けが少なく気持の良い音していました。

他に試した中では桜も適度に柔らかくて良い音だったのを覚えています。

欅 ≧ 桜等 > パーチクルボード、MDF、SRS-N100で開発した樹脂 > プラスチック樹脂

余談ですが、ヒバの木は米ぬかで炒る事で強度が増し、木釘に使います。

衝動にかられ、米ぬかで炒ったヒバ材でスピーカーBOXを作りましたが結果は今一歩でした。米ぬかで炒らないヒバ材よりも良い音質では有りましたが。

つづく

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”オープンエア型の音の拡がり&密閉型を超える重低音”

ご興味ある方は音茶楽 Sound CustomizeショールームでFlat4の試作機を試聴できます。

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秋のヘッドホン祭2011初披露 ”フラット4(Flat-Four)”  設計者”音”履歴(3)

フラット4の音響技術の開発者 山岸 亮の履歴その3です。

ヘッドホン設計者時代続き~SRS(アクティブスピーカー)グループ異動まで

ターボ回路はその後も改良を続けました。ヘッドホンのターボ回路は、理論的には幾らでもfoを下げられるのですが、弊害も有りました。foを下げようとすると中高域が盛り上がります。適度な盛り上がりはヘッドホンを装着する事で変わってしまう、聴感特性の補正になり好ましいのですが、ターボを掛けすぎると中高域の音圧が増加しすぎキツイ音となってしまいます。ソニーアコースティックターボ回路の完成形MDR-484では中高域の音圧を押さえる音響回路を追加し、よりターボをかけてfoを下げた状態でもバランスを取ることに成功しました。車で言えばインタークーラー付きターボですが、商品企画の意向でツインターボ回路と命名されました。

今にして思えば、MDR-E484は装着する事によって生じる鼓膜と振動板の距離による共振を抑える音響処置も施されています。他にも細かい部分を勘と聴覚だけで音造りしましたが我ながら上手く出来ていると思います。

この頃SONYのヘッドホンのシェアは軽く50%を超え、海外の殆どの国でもシェアNo1となりました。

ところが、その後設計者としては行き詰まりました。MDR-E484を超えるモデルを考えつかなかったからです。

そこで、SONY入社時に興味の有ったスピーカーを日々試作していた所、上司が認めて(見かねて?)当時、発足して間もないSRS(アクティブスピーカー)グループに、めでたく異動する事になったのでした。インナーイヤー型ヘッドホンは入社7年半で極めました。

つづく

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”オープンエア型の音の拡がり&密閉型を超える重低音”

ご興味ある方は音茶楽 Sound CustomizeショールームでFlat4の試作機を試聴できます。

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本日より始業致します

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 本日1月6日(金)より通常営業いたします。

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”オープンエア型の音の拡がり&密閉型を超える重低音”

カナル型ヘッドホン”Flat4”商品化推進中

試作品を試聴できます。

音茶楽 Sound Customize    経堂コルティ西側出口1分